国・自治体による生活資金の貸付事業が、それほど広く知られていないという実態があります。

労働組合・企業の救済活動

労働組合の活動としては、労働者福祉中央協議会と労働組合が一体となって多重債務問題に取り組んでいます。

 

その一つが「高利貸付の労金へ借換え運動」です。

企業の救済

この運動の目的は、総量規制など貸金業法施行を踏まえ、消費者金融業者からいきなり返済を迫られたり、返済してきた人が借りれなくなってヤミ金に手を出す事を防止します。

 

具体的には、消費者金融利用が2~3社で、延滞履歴のない組合員とその家族を対象に、労働金庫の低金利商品への借換えを促す取り込みです。

 

一方、労働金庫では2007年10月から弁護士・司法書士とのネットワーク構築により、多重債務者の救済に取り組むとともに、全国の労働福祉協議会および会員労働組合と協同で、セミナー等の啓発活動も展開しています。

 

 

 

個別労組としては、「全生活擁護」をスローガンに掲げる荏原製作所労働組合が多重債務に陥った組合員に対して、組合の顧問弁護士が債務整理等の相談に応じる窓口を作っています。

 

「工場ごとに、無料相談活動を定期的に実施しています。また、新入組合員に対して、お金に関する知識や社会人として注意すべき事項など、多重債務に陥らないための啓発セミナーを企画し、開催しています。」(労働組合員)

 

労働の活動に対して企業側の救済活動はそれほど積極的ではないようです。

 

 

ある食品メーカーの人事担当者は

 

 

裁判所から給料差押通知が送られてきたり、自己破産したケースはありますが、会社として多重債務に陥っている社員の調査や、救済の手を差し伸べるなどの活動は特にしていません。
お金の使い方は個人の家庭の状況にもかかわるし、会社としてそこまで踏み込んで面倒みらません。


 

と語ります。

 

事務局長も

 

事務局長

 

多重債務に陥った社員を救済しようという会社はほとんどありません。たまに、多重債務で悩む部下を連れて上司が一緒に相談に訪れる事はありますが、会社に相談窓口がないという人が多いのです。


と指摘します。

 

 

従業員が多重債務に陥ると、仕事の遂行への影響や会社に損害を負わせるなどのリスクも発生します。
仮に相談窓口があっても、借金問題を会社や家族にも知られたくないという人が多く、利用されない可能性もあります。
そうした場合も含めて、リスクマネジメントの観点から対策を講じる必要もあると言えるでしょう。

 

 

多重債務問題に関してどこまで対策を講じるかは、個々の企業で異なります。

具体的な資金的救済まではできないとしても、これまで述べてきたように、国・自治体による生活資金の貸付事業が、それほど広く知られていないという実態もあります。

 

また、NPOなどの民間の取り組み活動を含めて従業員への周知を図り、啓発活動を推進する事は、従業員福祉の観点からも重要ではないでしょうか。

 

>>NPOや民間団体が行っている活動はこちら